サイズ63センチの帽子を作った。お店ではほとんど見かけない大きなサイズ。頭の大きさを測って、帽子の型紙を買ってきてのサイズを補正して制作にかかった。
これは私の頭ではない。帽子のサイズに関して私はすごく困ったことはない。ズボンだって、上着だってそんな困ってないはず。そう思ってたけど、ほんとにそうだったのかなと帽子を作りながら考えてしまった。
ほんとはちょっと帽子が大きいなと思ってたり、セーターの袖がちょっと短かったり、太ももは合うけどウエストは合わないズボンとか、着れないわけじゃないから着てしまうけど合ってないものがたくさんある。それで、そういうちょっと合わない服を頑張って着ている自分を褒めちゃっていた気がしてきた。
服だけじゃなくて自分を今ある道具に合わせる努力をしてしまってるんじゃないか。なんでかというと、合わせる努力をやめたとたん、その道具は使えないものになってしまう。そして、一旦手に入れたものを「これもう使えない」と認定するのは結構しんどい。「#001 捨てる労力」にそういうことが書いてあって、そうだなと思う。
帽子サイズが63センチの人がサイズが最大60センチしか置いていない店に行くと、全部サイズが合わない、と諦めて帰る。なんだかその方が、ちょっ〜とだけ大きいけれどまあ使えるからと帽子を買って、一旦買ったんだからちょっと頑張りながら被ってしまうかもしれない私よりすがすがしい。
なんとなく合う物がある分、なかなか自分にぴったりなものを探して来なかったんじゃないかと思った。あるものに自分を合わせる努力じゃなくて、自分に合わせてものを作ったり、作り替えるように考えることをもっとちゃんとやっていきたい。