11月のはじめに火鉢を出し鉄瓶も出してきた。鉄瓶はしまっていた間の湿気でだろうか、内側が錆びてしまったようで水をいれても赤濁してしまう。まだ暖かかったため火鉢の火力を強めていなかった。湯の温度が下がる時に錆びていくらしいが、火力が不安定なために温度の低下で錆ができやすい状態だったと思う。赤濁は治まるどころかひどくなっていった。鉄瓶の内側は蒸気が触れまた乾燥するというのを繰り返すうちに錆びにくくなるそうだが、それも起こらないくらいの火力なので錆も止まらない。このままどんどん内側が錆びて穴があくのは嫌だ。
インターネットで調べると鉄瓶でお茶を煮につめていくのが錆を止めるのに良いらしい。鉄瓶の内側が白い湯垢で覆われる状態のが良いということもわかった。早く錆が止めたいので、火に湿気が含まれるガスコンロは鉄瓶にはよくないけれどそれでお茶を煮詰めることにした。
少し鉄瓶内部の表面の様子が変わった。鉄瓶を触りたくてたまならないから、1日1回ほどガスコンロで湯を沸かして使っている。毎日鉄瓶の中を眺めて少しだけも白くなったら喜んでしまう。
白くなって嬉しいのは、その白いのが鉄瓶を守っていると知ってるから。そうじゃないと、たわしでゴシゴシと擦ってしまいそう。こういった変化する道具を使う上で重要だと思ったのは、その道具にとっての良い状態を知っていること。知っていないと道具を使う嬉しさが得られない。どうあがいても使うと道具は変化するけど、それがいい変化なのか悪い変化なのかわからないと不安になるだろう。鉄瓶の場合なら錆びて赤くなるという変化もある。
私は植物がどんな状態だったら元気そうとか、どんな状態だったら水が必要だとか分かってる。だから庭を見に行って植物がどんな様子か確認し必要に応じて世話をする。自分の世話が上手くいったら嬉しい。鉄瓶を扱う感覚もそれによく似ているなと思った。