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ていれとつくろい、終了しました。
ブログは記録として残しています。

#14 火鉢の曖昧さ


火鉢のよさってなんなんだろう。よくわからない。そんな問答をかれこれ1ヶ月はやっている。使う前から火鉢よさそうだとは思っていた。去年初めて使って、今年も是非火鉢だと思っていた。なのに何故よさが説明できないのか。

そんなことを考えている間、火鉢の絵を描いてきた。デッサンで十数枚は書いたと思う。すぐに火鉢は描くのが難しいとわかった。まず形をとるのが難しい。更に、色と釉薬のせいで光の反射が激しく陰影もつけにくい。デッサンの本では薦めないタイプの被写体だ。デッサン嫌いになりそうだと思いながらも描いていた。それでも、しっかり見ることで少しずつ火鉢に見えるように描けるようになった。

そんなことしなくてもすぐに火鉢が火鉢に見えるように描くことが出来る方法はある。火鉢の周りにあるものを描くことだ。その状況を描くことによって、お碗や香炉に見えてしまいそうな上手くない絵の火鉢を火鉢にすることができる。つまり火鉢を描いているわけではない。

そう考えたときに火鉢の好きなところは、火鉢の周りの状況なのかもしれないと思った。火鉢は誰かが世話しないと消えてしまう。贅沢にもいつも火がついているから自分も含めなんとなく人が居着く。火があるから思わず何か焼いて食べたりしてる。火鉢がその状況を作る。それが好きなんだろう。

火鉢の火の物理的な温かさはもちろん好きだけどちょっと伝えにくい。火鉢そのものの絵を正確に描こうとするかのようだ。でも、そういった火鉢があったからできた楽しいことなら言いやすい。

そうやって火鉢が起こす楽しいことを伝えようとすると、でもそれは火鉢そのもののよさが起こしたことなんだと伝えたくなってしまう。そこでまた、火鉢そのもののよさってなんなんだ、どうしたら伝わるんだ、とやっぱり考えこんでしまう。
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