この冬も、
ジーンズ・刺し子ワークショップを開催していきます。
繕いに関してなんか言葉にしたいな、
と思ってたことがやっと出てきました。
ホームページにも載せてますがこの冬の開催に寄せて、こちらにも掲載します。
=====
「繕う」ということは、
文字に例えると「書く」よりは「読む」ことに似ているし、
絵に例えるとやはり「描く」よりは「観る」ことに似ている。
「繕う」ことはものを「作る」こととはちょっと違う。
繕おうと思うと、
そのジーパンの姿や、
そのジーパンを履いてきた人の痕跡に迫っていく。
ジーンズとはどういうものか、
綾織のもたらす質感、
布を織るために使われた一本一本の糸の強さ。
右膝を破いたこのジーンズへの繕いは、
薄くなったところも含めて、
どのように強度を与え、
どんなデザインで進めていこうか。
そうやって私は、繕いの最初の一針にたどり着く。
ジーパンを「作る」ことはできない私にも、
このジーパンというものの力強さに便乗して
一針を重ねていくことができる。
その重ねた一針で、また更にジーンズを、履いた人の姿を垣間見る。
山根澪