誰かに使われたものには跡が残っていて、それが不気味で惹かれる。例えば、貰った服についていたシワ、中古で買った家具のキズ、博物館にある民具のわずかに残る生活感。
その跡が残った理由はわかるときもあるし、わからないこともある。そんな跡を見て、もしかしたらこの跡が残った理由を知ってしまったらもうこれを使いたくなくなるかもしれないなと考えることがある。反対にそうしたら余計にこれを使うのが嬉しくなるかもとも思う。
ところで今、うちの家の壁と壁の隙間には動物が住んでる。隙間の動物。時折足音が聞こえるが姿は見たことがないがらどんな動物かわからない。足音から察するに、そんなに大きくはない。トトトトトトと走る音がする。この状況に怖い反面ワクワクもする。変な動物だったらどうしようとか、めっちゃかわいいかもしれないとか。マイナスのこともプラスのことも同時に考え続けて不安になりながらも惹かれてしまう。
中古品を見るときの面白さの一つはこういうことかなと思う。もうこんなもの使いたくないっていう過去を持ってるかもしれないし、そんなものが巡って私のところに来て嬉しいと思うような過去を持ってるかもしれない。よく言われることだけど答えがわからないこととか、謎には惹かれてしまうようだ。