去年の10月に割れてしまったお茶碗を金継ぎしようと
思ってずっと台所にとっておいた。
見るたびに「あー金継ぎしなきゃ」。そんなことを、
考えながら随分経って、
「金継ぎしなきゃ」って感じが変やなと思いつつも、
してみたいって感じもちょっとありそのままになっていた。
近所のおばちゃんと話していて、
そのおばちゃんは金継をすることを知った。
金継ぎ以外にも色々作るのが好きで、
「最近はもう体が動かへんけど、
若いころはな、忙しくてもな夜中に
鯖寿司作ったりしてん。なんで作んねやろな。せやけど好きでな。
夜中に隣の家の子に持って行ったりしてな、夜中やで。」
と楽しそうに話してくれた。
それを聞いたら急に金継ぎをしないといけないと
思っていた自分が浅はかな感じがして、
今は金継ぎはいいやと思った。
今、忙しくても夜中に楽しんでやってることは
ブログを書くことだったりして、
朝起きて向かいたい工房の机があり、
どうしようもなくそういうことをやってしまう。
そういう楽しさを金継ぎに対して持っていない。
割ってしまったお茶碗は、
すぐに捨てる決心がつかなかった。
壊れたものを眺めたり、
今日も含めてブログに文章を書いたりすること、
誰かにお願いするという方法も含めて
ほんまに金継ぎしたいんかなと考えて、
今すっきり手放せる気分になった。