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ていれとつくろい、終了しました。
ブログは記録として残しています。

#64 左官屋の憂鬱

このところミヒャエル・エンデの「モモー時間どろぼうと盗まれた時間を人間にかえしてくれた女の子の不思議な物語」を読んでいる。時間どろぼうが現われると大人たちはみんな時間を節約しようとやっきになり、そのために生活を変えていってしまう。その大人の一人にニコラというモモの友達の左官屋がいる。ニコラはモモのために石のかまどを作ったり、時々モモに会いに行っていた。

ニコラが時間を節約するとどうなったのかというと、「四、五年はもつけど、そのうちに咳をしただけでも落ちるようになっちゃう」ような工事をし始めた。それは「左官屋の良心」に反するようなことで、ニコラはもう彼が建てるものを誇りに思うことはできなくなってしまった。でも、こんな時代だから仕方ない、いつかお金を貯めて何か別のことをするとモモに伝える。

そんな工事しかしなくなったのはその方が時間がかからないからだ。それを読んで身につまされてしまった。早く終わらせようと思って手抜きをし、すぐにやり直しをしないといけなかったりそもそも上手く行かなかったことが何度もあった。そういったことは、人に見せれたことではないと思いこそこそやっていたところもある。時間どろぼうされてたんだ。
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