「繕いノート」という本を見たときに、シャツやジャケットの袖口を繕いができるとわかったのでまずやってみることにした。この本にはどんなものが繕えるのか、繕うとどうなるのか写真付きで載っており、繕いのイメージがわく。それに必要な縫い方が最後に紹介されているのでやってみようと思えた。すべて手縫いでのやりかたが書いてあるところも、ミシンを持ってない私としては魅力的だった。
ブランケットステッチですり切れたコートの袖口を縫っていった。生地が補修されて強くなっていく様子が手に取るようにわかるのが楽しい。繕いのあとが目に見えて、一針一針に満足感がある。繕う前よりこのコートを着たいと思うようになった。
繕った跡は目につくところに派手に残っているのにみすぼらしさなんかこれっぽっちもなく、むしろ誇らしい。機能が長続きするように、それに糸の色が合うように考えて繕ったからだろう。こんなに楽しい繕いは初めて。