神戸・三宮のナガサワ文具で開催していた川口明弘ラストペンクリニックに行ってきた。1年半ほど前に買った万年筆は時々かき心地ががさがさしたり、書く角度によってインクが出なかったりとなんとなく書きにくいと思うことがあったが、使い込んでいくうちによくなるだろうとか、万年筆はそういうものなのかもしれないと思っていた。でも、数分の修理が終わると別物かと思うほどかき心地が良くなっていた。
修理を進めながらいろいろなことを教えてもらった。
私の万年筆は品自体がよくない物だったようだった。ペン先の割れ目が真ん中に入っていなかった。これが真ん中に入っていないとバランスが悪くよくないとのことだった。どこで買ったのか、試し書きはしたのかと聞かれ、「ヨドバシカメラの文具コーナーで、試し書きはして買いました」と答えた。すると、万年筆のメーカーは良い万年筆をナガサワ文具などの文具屋に流す傾向があり、ヨドバシカメラのような店やネットの販売店などには悪いものを流すことが多いと教えられた。ネットのものは安いかもしれなが、すごい損をすることがあるので高くても文具屋で買う方がよいとアドバイスされた。
更に、中のインクは古いものを使ってないかと聞かれた。1年半ほど前に万年筆と一緒に買ったものだと答えると、インクも回転がいい文具屋で買ったほうがよいと教えられた。インクは3年ほどは粘度がありかき心地の良い状態が保たれるらしいがそれ以上するとかき心地が悪くなってしまうらしい。私のインクは買ってからはまださほど経っていないが、インクの回転が悪いであろうヨドバシカメラに在庫として何年しまってあったかわからない。試しに新しいインクを付けて書かせてくれたが、確かにそれだけで書き味が全然違った。
ペン先の質がもともとよくない万年筆だったが、修理してもらい書きやすい万年筆になった。すごい!とても嬉しい。万年筆をあまり知らずに買って使っていたものが少し不良品気味だったと知って少しショックだった。でもそのお陰でいろいろと教えてもらい、次に買うことがあれば、できれば万年筆の調整ができるような人がいるお店で買おうと思う。「大事に使ってください。」と最後に言われ店を後にした。