去年、実家にあった古着を整理したときに、曾祖母(もしかしたら祖母のかもしれないが)の服が出てきたので貰っておいた。普段着の着物の上に羽織るようなもので作務衣に似た形の服を、この間初めて着た。
曾祖母の服を着るのが嬉しいとかいうことは全くないが、この服は着ていて心地いい。曾祖母は十数年前に亡くなった。少なくとも10年以上前に作られたこの服を今だに着たいと思う人がいるんだから凄いじゃないかという気になった。私の服や持ち物で誰かに進んであげれるようなものってなかなかない。
祖母は桐の箪笥を持っている。祖母が死んでもそれを誰かが貰って使ってくれたらいいのにと考えているみたいだ。私はそこまで考えれるものは持っていない。
例え毎日不満なく使っていてような道具でも、自分が使えなくなったときに誰か使って欲しいと思えると思えるものは意外とない。でも、そんな風に思えるものを持ってたら楽しいんじゃないかと思う。自分の持ち物の中にそんなものを増やしていきたい。